RETRO少年の懐古録

ミステリー、ホラー、サイエンス、サスペンス、SF、怖い話……

【怖い話】戦慄の記憶「山神」(青森出身 88歳)

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 仕事柄ってわけでもないが、僕はじっちゃんばっちゃんと関わる機会が多い……
 つくづく、高齢化社会を実感させられるけれども、やはり年配の方は経験豊富……
 引き出せば引き出すほど、どんどんどんどん面白い話が出てくる……

 「どうですか?80数年生きてきて……何か幽霊とか、妖怪とか、非現実的なものを見たことはないですか?」

 これは最近、僕がはまっている質問である……

 「さあ、ないねえ……」
 「さすがに見たことないねえ……」

 こんな返答が多数だが、中には、眉唾物と思えない話をしてくれるご老体がいらっしゃる。

 

 ケース1 (青森出身 88歳)


 わしゃあ、青森の✕✕ちゅうとこで育ったんだども、
 いっぺんおっがねえことがあってなあ…… 

 もう、ずっと前のことじゃ……
 わしもボケはじめとるけど、あの夜のことは忘れん……

 猟犬のトラがけたたましく吠えとる……

 じいちゃんが見に行ったんでな……もしや熊でも降りて来たんかと……

 しかし、いつまで経っても帰らん……

 玄関に出てみると……

 じいちゃんが暗闇を見て、固まっとる……

 「どうしただ」……と小声で呼びかけたら、

 「○○(ご老体の名前)、銃持ってこ……あとタテ(槍)じゃ……」

 すぐ銃とタテを取りに行っただ。 

 じいさんが見つめる方向……大体、20mくらい先に、木が5本生えてたんじゃが……その、左から2番目と3番目の木の間に何かおる……

 目が慣れんで、はじめはよく分からんかったが……まあ簡単に言えば、でっかいトカゲじゃ……緑色のな……目が、6つあった……もしかしたら、8つあったかもしれん……」

 「お前は中さ入っとれ……」って言われたんで、その後どうなったのは見とらんが、間もなくじいちゃんは戻ってきた。冷や汗びっしょりでな……


 「山の神様じゃ……村の誰かがばちに当たることしたのかもしれん……」

 その晩は、ばあさんもじいさんも必死に念仏唱えておった……
 
 孫が生き物好きでな……
 よく図鑑かなんか買って見せてくれるんだども、あんな生き物はどこにものっとらん……

 暗闇だもんで、よくは見えんかったけど、あれは間違いなく……熊でも鹿でもない……
 神さんってのはあんな姿をしとるんかいのう……