RETRO少年の懐古録

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フォークロアまとめ その9 信じようと信じまいと……

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フォークロアまとめ その9

信じようと、信じまいと…… 

 

とある大学で、奇妙な実験が行われた。それは、人工知能に世界中の不思議な話を集めさせるというものだった。実験は成功したが、ある日を境に人工知能は不思議な話への関心を失ってしまった。「クレープが食べたい」という交信を最後に…… 

信じようと、信じまいと……

 

イギリスで、コンクリート製の街灯柱が一夜で四本も根こそぎ消え去るという事件があった 事故で押し倒されたり、クレーン車を使用した形跡もなかった。「犯人はよほどの大馬鹿者だろう」と市当局は言うが、犯人ははたして人間なのだろうか。

信じようと、信じまいと…… 

 

ロシア北部の山奥に、一人の猟師がいる。彼の体には肩から袈裟懸けに走る一本の太い傷跡があった。「二本足で立つ、でかいヤギにやられたんだ。4mぐらいだったかな。もっとも、撃ったあと地面に溶けるように消えたんだがね」と彼は言った。 

信じようと、信じまいと……

 

とある小さな村で、ロベールという芸人が老衰により亡くなった。年老いてもなお、彼の動かすマリオネットは本物の人間のようだと村中の評判であった。その後、村民たちが彼の遺品を整理している時、誰かが叫び声を上げた。ロベールが操っていた人形は、ずっと前に死んだ彼の弟の死体だったからである。

信じようと、信じまいと……

 

秋田県北部の小さな小学校で起きた不思議な話。2009年度の一年間、あるクラスの分の給食が何故か毎日一食分多く届けられたのだ。学校側は何度か給食センターに連絡したのだが、それでもその一食分は毎日届けられたという。その給食は、誰のために用意された物だったのだろうか。

信じようと、信じまいと……

 

北海道某市の児童公園の片隅に、奇妙な電話ボックスがあるという。毎月15日の午前0時になると、きまって電話のベルが鳴り出すというのだ。誰かのイタズラか、機械の故障か……住民たちは、そのどちらでもないことを知っている。そのボックスの中の電話機は、4年も前に撤去されているからだ。

信じようと、信じまいと……

 

世田谷区には、毎月八日になると必ず花束が添えられている交差点がある。過去にその場所で交通事故が起きたという記録は無く、また目立った事故も無い。そして何より、誰も花を供える人間を見たことが無いという。一体誰がどうやって、何のために行っているのだろうか。

信じようと、信じまいと…… 

 

世田谷区に住む男性が、自転車で通勤中、車に当て逃げをされた。警察は大きな怪我は無いからと、まともな捜査してくれない。男は事故のあった毎月八日の日、現場に花を供え続けた。すると一年後、ノイローゼになった犯人が警察に出頭してきたのだった。

信じようと、信じまいと……

 

南米のとある村で七つ子が産まれた。その村の人々はそれを「神の奇跡」と大いに喜び、村では盛大な祭りが行われた。子供たちは「神の御子」と呼ばれ村人たちからとても可愛がられた。後々わかったことだが「神の御子」たちは皆重い多重人格障害で、なんと兄弟で七つの人格を共有したという。

信じようと、信じまいと……

 

イギリスのとある駅に、雨の日にだけ停まる列車があったという。その列車を見た者は何人もいるが、乗ったことのある者は今は存在していない。なぜなら雨があがると、その列車も雨とともに忽然と消えてしまうからだ。

信じようと、信じまいと……

 

ある少年が、アルバムの中で赤子を抱いたとても美しい女性の写真を見つけた。母親に聞くと「あなたのよく知っている人よ、この子もね」と答えた。それから二十年程経ったある日、彼が再びアルバムを開くと、その写真はなくなっていた。ふとそばにいる妻を見た時、全てを悟ってその場で写真を撮った。

信じようと、信じまいと……

 

その日はいつもより暑い日だった。アラブ人の男は砂漠で巨人に出会った。その巨人は砂の中から突然這い出てきて、全身は炎に包まれていたという。巨人は男に旧暦の日付を尋ねた後、空と地平を眺めながら「まだ早かった」とつぶやいて、再び砂の中に潜っていったという。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある男は、着替えの場面を誰にも見せないという奇行を持っていた。ある日、彼が行方不明となり、彼の家を訪れた友人は驚くべき事実を発見してしまう。彼が着ていた服は全て、彼の体重とまったく同じ重さだったのだ。彼の本当の体重はいくつだったのか、彼とは何者だったのか、今となっては知る術は無い。

信じようと、信じまいと……

 

何らかの疾患を負っている場合を除いて、外国人は肩こりにならない。そもそも「肩が凝る」状態がどういったものか分からないそうだ。肩が凝るという言葉を世に広めたのは夏目漱石だと言われているが、肩こりに苦しむ日本人が増え始めた時期は、漱石の書が流行し始めた時期とほぼ同時期である。

信じようと、信じまいと……

 

高圧線の鉄塔が、巨大な生き物に見えてしまうという人が稀にいる。ある幼稚園児の女の子もその一人だが、彼女の訴えは少し違っていた。「暗いうちに目が覚めたとき外を見たら、山にある電線の塔が歩いてたの」鉄塔の点検をする際、鉄塔に割り振られた番号が一致しない事が、数年に一度あるようだ。

 

2012年12月、山梨県のトンネルで天井が崩落する事故が発生した。数台の車が崩落した天井の下敷きとなって九名が死亡した。しかし、ただ一人そこから生還した女性がいる。女性によると、気がついたら車の外にいたという。彼女の車は一瞬にして潰され脱出する隙間などないというのが調査結果だった。

信じようと、信じまいと……

 

100年ほど前、とある村に酔狂な若い男がいた。「虹の根元がどうなっているか見てみたい」と言い、ふらりと旅立ってしまったのだ。月日は流れ、村は町になり彼を知るものも少なくなってきた頃、男はふらりと戻ってきた。「結局、何もなかったよ」と笑う男の姿は、旅立った当時と同じ若いままだった。

信じようと、信じまいと……

 

ある日図書館に、一冊の本が45年ぶりに返却された。匿名で返却された上に、図書館に記録が残っていなかったため、借主は不明。そして何より人々を驚かせたのが、その本の内容が「ある日図書館に、一冊の本が45年ぶりに返却された」という一文で始まるものだったことだ。

信じようと信じまいと…… 

 

鏡で自分の目ばかり見ている娘を不審に思った母親が、何故目を見てばかりいるのかと尋ねると、目の中に笑っている人の顔があると言う。気のせいだろうと母親が娘の目を見ると、そこには十年前に失踪した叔父が映っていた。

信じようと、信じまいと……

 

とある村の共同墓地で、ある男が死んでいるのが見つかった。彼は夜な夜な墓地に忍び込んでは、棺を掘り返し遺体の装飾品を奪って金に換えていた墓荒らしだった。死体には全身に噛まれた跡があり、調べてみるとその歯型は二日前に埋葬された村長夫人のものだった。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある美術家が「ミロのヴィーナスの両腕を再現してほしい」という依頼を受けた。しかし半年後、美術家は首を吊って死んだ「これは私だけのものだ」という遺書と、ヴィーナスの両腕部分が破り取られた大量のスケッチブックを部屋に残して……破り取られたヴィーナスの腕は、美術家の胃から発見された。

信じようと、信じまいと……

 

「絶対に口にしてはいけない言葉」 という物がある。しかし、その言葉がどのような言語で、どのような発音なのかは誰も知らない。また、口にすると何が起こるのかも分からないという。一説では、地球が滅亡するその日に、人間が残す言葉だとも考えられている。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある海域に50mにもなる一本の黒い帯が現れた。近くを通った漁船が調べてみると、数千万にも及ぶ魚群だった。船長から話を聞いた専門家曰く「通常、魚は脅威から身を守るために、自分達を大型の魚のように見せかけます。それだけの群れであったということは、それだけの脅威がいたということです」

信じようと、信じまいと……

 

今年もまたごいっしょに九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう。

これは地球が太陽のまわりを一周する距離です。

速度は秒速二十九.七キロメートル。

マッハ九十三。

安全です。

他の乗客たちがごたごたをおこさないよう祈りましょう。

信じようと、信じまいと……

 

オーストラリア中央部では、満月の夜に終わりのない一本道が出現するという。伝承によれば、その道を歩き続けると戻れなくなってしまうという。興味を持った研究者が、彼らの導きで実際にその道を歩いてみたところ、五時間歩いても先が見えず、怖くて引き返したところ、五分で出発点に帰れたという。

信じようと、信じまいと……

 

一人の少年が、突然現れた男に滅多刺しにされ殺害された。男は少年を刺しながら「神様、俺はやった!これで世界は救われた」と叫んでいた。男は取り押さえられる際、もみ合いの末、自分のナイフに刺され死亡。彼の身元はいくら調べてもわからなかった。男はどこから来て、なぜ少年を殺したのだろうか。

信じようと、信じまいと……

 

プロシアで代々続く靴職人の家に生まれたヨハンは、物置に積まれた靴型の中に三つで一組となる型を見つけて不審に思った。数年後まさにその客が工房に現れたが、分厚いコートから出た脚は二本だった。しかし男の注文は「真ん中を増やして四つで一組の靴を作ってくれ」というものだった。

信じようと、信じまいと……

 

1985年、ニューヨークのとあるマンションの貯水タンクの中から死体が発見された。この死体は、遺棄された場所が場所だけに、住民から寄せられた多数の苦情によって発見されたのだが、その苦情の中には「水道水から人間の味がする」といった内容のものもあったらしい。

信じようと信じまいと…… 

 

ある大司教は、西暦914年の飢饉のとき、貧しい者たちに食事を与えるといって納屋に集め、納屋ごと焼き殺した。彼は「この者たちは天国で安らぎ、神は犠牲を受け入れて豊作をもたらすのだ」と説明したが、数年後、彼はネズミの大群に襲われて食い殺された。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある占い師が人々を集め「私は人間ではない」とのたまった。彼女が曰く、自分は遠い宇宙からやってきて人類を観察しているという。荒唐無稽なその話に一人の村人が思わずつかみかかると、彼女は一瞬で消えてしまった。あとには一人分の人間の皮が残っているだけだった。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある男は鏡を顔の周りに取り付けて、視界に死角が無いようにするという奇妙な癖を持っていた。彼は「視界の隅には怪物がいる」と怯えたように繰り返していたが、ある日「目の裏側が最大の死角だ」と言い、自分の目を抉って絶命した。彼の目の裏側には、何かに噛みつかれたような奇妙な傷が残っていた。

信じようと、信じまいと……

 

十四歳のときに熱病のため失明したフランスの少女は医師のテストの結果、鼻の頭と耳たぶで物を見ていることが判明した。明るい光を耳たぶに当てると少女はまぶしがり、鼻先を指で触ると飛びのいて怒った。「私をめくらにするつもりなの!」と……

信じようと、信じまいと…… 

 

先日、見知らぬ人に「あなた、背中に人が乗ってますよ」と言われた。それから、急に肩が重くなったような気がした。自分も同じように見知らぬ人に「あなた、背中に人が乗ってますよ」と言ってみた。それから肩が楽になった。

信じようと、信じまいと……

 

神奈川県に住む少年は、ある日の深夜、狂った女ようなの笑い声で目が覚めた。何処から聞こえるかも、誰のものかもわからない声を恐れた彼は半狂乱で耳を塞ぎのた打ち回った。 そこで彼は初めて、窓に映る、耳を塞ぎながら大笑いする彼自身の姿を目にした。

信じようと、信じまいと……

 

ある青年は、その朝もいつものように顔を洗っていた。ふと顔を上げると、目の前の鏡に、自分の顔ではなく、自分とよく似てはいるが明らかに女性の顔が映っていた。それはほんの数秒で自分の顔に戻ったのだが、後になって彼は、自分には生後まもなく死んでしまった双子の妹がいたことを思い出した。

信じようと、信じまいと……