RETRO少年の懐古録

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フォークロアまとめ その15 信じようと信じまいと……  

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フォークロアまとめ その15 

信じようと信じまいと……  

 

ベルギーで、神父が教会内で男を殺し、自らも命を断つという事件があった。狭い町にしては妙なことに、被害者の男に誰も心当たりはなかった。死因は絞殺だったが、左右の肩甲骨付近に一際大きな傷があった。そして、男の傍らには、一対の巨大な翼がうち捨てられていた。

信じようと、信じまいと…… 

 

十九世紀末、ドイツの学者が古書を開くと、一匹の羽虫がその見開きに押しつぶされていた。 何の気なしに彼がその羽虫を引き剥がすと、虫は羽音も高く飛び去っていった。偶然にも、虫が挟まっていたのは蘇生術についてのページであった。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある女性がふざけ半分に、鏡の中の自分に向かって手を振った。鏡の中の自分は同じ動きをしたあと「さよなら」とつぶやき、どこかへ去っていってしまった。その日から、彼女が鏡やガラスの前に立っても、それらは彼女を映さなくなってしまった。

信じようと、信じまいと……

 

とある地方に「入れ替わりつつある兄弟」がいるという。ある日を境に、性格や能力、さらには記憶まで、徐々に兄が弟に、弟が兄になっているそうだ。それを知った兄の妻はとりあえず離婚した。入れ替わりが完了するのを見計らって、弟と再婚するらしい。

信じようと、信じまいと…… 

 

スペインの古い教会から一枚の絵が発見された。絵そのものは油絵なのだが、描かれているのはどう見ても日本の侍だった。絵の裏には「我が村を救った英雄」とあり、鑑定の結果、十二世紀頃の物だとわかった。誰が描いたものなのか、そしてこの侍は誰なのか 知る者はいない。

信じようと、信じまいと…… 

 

リバプールに住む男はある日、鏡に映る自分の行動が正反対の挙動を示すことに気づいた。

男は右手を挙げるが、鏡面の中の自分は左手を上げる、といった具合だ。それは、男が36歳になるまで続いたが、それ以降は右手を挙げれば中の男もきちんと右手を挙げるようになった。男は72歳でこの世を去った。

信じようと信じまいと……

 

ニューヨークのとある高層ビルのエレベーターには、奇妙な貼り紙がある。誰が貼ったかは謎だが、それには「一人で乗らないで」と書かれており、実際に一人で乗った人が行方知れずになる事件が何件も発生しているという。この貼り紙が貼られる前はそのような事件が起こっていないにも関わらず……である。

信じようと信じまいと……

 

米国を襲った過去最大級のハリケーンの通過地域で「携帯電話に死んだはずの人間から電話がかかってきた」という通報が警察に相次いだ。ある科学者は、ハリケーンの猛烈なエネルギーにより時空に歪みが生じ、パラレルワールドからの電波が紛れ込んだのだろうと話している。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある女性が畸形嚢腫という腫瘍のために切除手術を受けた。医師によれば、双子で生まれるはずの妹が、彼女の腹に残ってしまったものだそうだ。

手術は成功し、彼女が療養のため他の病院に移る日のこと、見たこともない少女が彼女を指差し「人殺し」と呟いたと言う。

信じようと、信じまいと…… 

 

指を組んでみてください。きっと利き腕の指が上になることでしょう。もしも利き腕と反対の指が上になったあなたは、注意してください。あなたは鏡の世界から誤って来てしまった人間です。夜中に鏡を見るのは絶対にやめたほうがいいでしょう。もう一人のあなたが鏡の中で外に出れるのを待っていますよ。

信じようと信じまいと……

 

ある少女が何かに咬まれたと言って泣き叫んだとき、癲癇で処理しようとした警官は、目の前で彼女の二の腕に歯型が浮き出るのを見て仰天し、慌てて司祭に連絡した。彼女によるとそれは黒いマントを身に纏っていたという。警官は、彼女にしか見えない何物かが彼女を襲ったのは間違いないと証言している。

信じようと信じまいと……

 

2012年5月21日の朝 大通りを歩いていた男は妙なことに気が付き足を止めた。平日の朝にしては人が少なすぎるのだ。頭上では、丁度月が太陽を飲み込んでいる最中だった。「月が太陽も人も隠してしまったのだろうか」日食に気をとられていた男は、自分の足が黒く溶け出していることに気づかなかった。

信じようと信じまいと……

 

東京スカイツリーに使われている鉄材は、戦争の際に活躍した米軍の戦車を鋳潰したものが使われているという。なんでも、鉄骨に耳を当てると、エンジンの音、爆弾の破裂する音、若い兵士の叫び声が聞こえるという。 

信じようと、信じまいと……

 

信じようと、信じまいと…… 怪僧ラスプーチンが貴族の一団によって暗殺された まず、大人三人を殺せる猛毒入りのケーキやワインでもてなしたが、効果無し 焦った一人が胸を銃で撃ち抜き、鉛入りの重い杖で頭を殴りつけ、その後皆で川へ放り込んだ にも関わらず、死因は溺死だったという

信じようと信じまいと……

 

ある雨の晩、バーで男が「自分の後を誰かがついてくる気がする」としきりにボヤいていた その話を聞いた人は皆、気のせいだろうと言い、信じようとしなかった。男がバーを出ていった後、ふと上を見上げた女が悲鳴をあげた。男の通った道をなぞるようにして、天井にびっしりと靴跡がついていたのだ。

信じようと信じまいと……

 

とある女性は生後六ヶ月のとき熱病で失明してから、光のない生活を送ってきた。十八歳のとき、熱湯を張ったまま、まだ水でぬるめていない浴槽に誤って足をつけ、悲鳴を上げた瞬間、彼女は自分の目が見えることに気がついた。

信じようと、信じまいと…… 

 

ハリガネムシという寄生虫がいる。成虫になるまでカマキリなどの昆虫の体内で過ごし、最後には宿主を水辺まで誘い、その身体を食い破って出てくるという生物である。最近、川に飛び込んで自殺した男性の体内から、二メートル近くまで育ったハリガネムシが見つかったという。

信じようと、信じまいと…… 

 

魂の重さを21gだと量った実験は有名だが、実はこの実験には続きがある。いわゆる「憑いている」人形は、同一の工場で作られたほかの人形に比べて、21g重いのだと言う。

信じようと、信じまいと……

 

物心ついたときから、翌日のことを予言する少年がいた。両親は息子をとても大事に育てたが、少年の十歳の誕生日にその子を残して自殺してしまった。その前日少年は「明日自分の能力がなくなる」と予言したそうだ。

信じようと、信じまいと……

 

アルコール中毒の男がいた。男はまさに浴びるように酒を飲み続けていたが、ある朝自宅で死んでいるのが発見された。死因は水を飲みすぎたことによる「溺死」であった。死の前日、男は「いい酒が手に入った、一緒に飲まないか」と友人に話していた事がわかった。男は何を飲み、何に酔っていたのだろうか。

信じようと信じまいと……

 

1998年、とある郊外に古びた気球が墜落した。籐で編んだゴンドラには二体の白骨死体が入っており、調査の結果、気球は十九世紀初頭の頃のものと鑑定された。気球は200年近い間、どこを彷徨っていたのだろうか。そして二体の白骨は誰なのか、真相を知る者はいない。

信じようと、信じまいと……

 

主人公の名前を決めることができるゲームで、名前を「ツナカユリコ」にすると、自身に不幸が訪れるという。ある少年がRPGを始める際に主人公の名を「ツナカユリコ」にしたところ、どこからともなく視線を感じたという。なお「ユリコ」だけでも効果があるらしい。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある女性は「少しだけ時間の進んだ自分」が見えていたという。喫茶店に入ればすでにコーヒーを飲み終えた自分が座っている、といった具合だ。ある日彼女が道を歩いていると曲がり角の先に自分が倒れている。それを見た彼女は来た道を急いで引き返した。それ以来、もう一人の自分を見ることはなくなった。

信じようと信じまいと……

 

十八世紀後半のイギリスで、非科学的なものを否定する学会があった。彼らは、妖精や霊魂、交霊術などをすべて科学的に立証し、そのたびに霊媒師や霊能力者を否定していった。しかし驚くべきことは、彼らの学会は今現在もメンバーが変わっていない、ということである。

信じようと、信じまいと…… 

 

とある小学校には「村瀬さん」という用務員が働いているという。彼はもう十年もその小学校で働いており、その学校の生徒なら誰でも一度は彼と遊んだことがあるほどだった。だが、その学校にはいままで一度も「村瀬」という名の用務員は勤めておらず、教師のだれも「村瀬」という人物を見たことがない。

信じようと信じまいと……

 

ある男の前に一人の老人が現れ「お前さんの願いを一つだけ叶えてやろう」と言った。男は即答した。「地球のゴミを消して、動植物の住みやすい環境にしてくれ」。その年、第二次世界大戦が勃発し、全国の死者数は前年度をはるかに凌いだ。

信じようと、信じまいと……

 

夕方、黄昏の時刻を逢魔ヶ時という。日が沈みかけ影が薄く判りづらくなる頃だが、実際の魔物には全く影が無い。もしそれに気づいたなら、そっと後ろから近づき「影はどうしたの」とつぶやくといい。気づかれた魔物は気づいた人間の言いなりにならなければならない。

信じようと、信じまいと…… 

 

とある地域では、陸の腐乱死体を赤鬼、海の腐乱死体を青鬼と呼んでいる。前者は全身の皮膚の色が真っ赤になり、後者は真っ青になることから由来している。ある日その地域で、空から身元不明の死体が落下してきた。それは地面に激突した衝撃で激しく損傷しており、全身の皮膚が黄色く腐敗していたという。

信じようと信じまいと……

 

とある工場で小さな爆発事故が起き、作業員一人が怪我をした。しかし、両腕に軽い切り傷を負っただけでたいした怪我ではなかったため、仕事にもすぐに復帰した。だが、彼は奇妙なことに気づく。事故が起こる前までは右利きだったはずが、今は左利きだったのだ。

信じようと、信じまいと…… 

 

男が弁当を木に吊るして草刈りをしていた。昼飯時になって弁当を下ろそうとすると妙に軽い。包みを開けると、弁当はすっかり食べられており、代わりに白い花が一輪残されていた。通りがかった旅人に見せると、これはカタクリの花で、白色のものは非常に珍しいのだと言った。

信じようと、信じまいと…… 

 

南米に、必ず当たる予知夢をみる男がいた。彼曰く、夢の中で、少し未来に起こる出来事が、自分の目の前で繰り広げられるのだという。その男が、ある朝ベッドの上で舌を噛み千切って死んでいるのが見つかった。死にたくなるほどの惨状を、男は夢で見たのであろうか。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある男のメールボックスに送信日が30年後のメールが舞いこんだ。内容はただ一文、「30年前の自分、逃げろ」男は何から逃げてよいのか分からないのでとりあえず「逃げて」いないが、それが分かるのは果たして30年後なのだろうか。

信じようと、信じまいと…… 

 

とある森に「恋人の木」と呼ばれる、寄り添い立つ二本の木がある。人の背丈ほどのその木は、成長せず枯れもせずに数百年間も立ち続けているという。その場所は、中世、身分の違いから結ばれる事を許されなかった二人の男女が、永遠の愛を誓って命を断った場所だという。

信じようと、信じまいと…… 

 

時計を見ると、秒針が一秒以上止まっている。そんな経験をしたことがある人はいないだろうか。ある男がデスクワーク中にふと時計を見ると、なんと五秒間もの間秒針が静止していたという。その後いつも通りに動き出した時計を見ながら男は「こいつも自分の仕事をサボる時があるのだろう」と言って笑った。

信じようと信じまいと……

 

韓国人の男が、ホームから落ちた人を助けようとして死んだ。マスコミは彼をこぞって英雄扱いした。だが、鉄道会社と警察は知っている、その後周辺の駅ホームからの飛び込む者が大幅に減ったことを…… 

信じようと、信じまいと……

 

とある海水浴場……人の右手だけが泳いでいるという噂が流れ、海水浴客が何者かに足を引かれ溺れかける事件まで発生した。耐えかねた地元観光局の依頼により、漁師がその「手」の捕獲に成功した。それは何故かマネキンの左手だったのだが、以降噂は立ち消えた。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある男が言うには、夢の中でゲームをする。それに勝ったら願い事を一つかなえてもらえる しかし負ければ命を取られるらしい。とんでもない賭けだが、今まで負けた事がない。願い事はささやかだし、所詮夢だと安心していた。ところが男は心不全で突如亡くなる。男の最後の願い事は世界の平和だった。

信じようと信じまいと……

 

ある男が秋葉原の路上店で、人口知能会話ソフトが三百円で売られているのを見つけた。 有名なメーカー製であったため、男は喜んでそのソフトを買い、帰宅するとすぐに試したが、そのソフトは「助けて」と「もう許して」の二種類しか返事をしなかったという。

信じようと、信じまいと…… 

 

営団地下鉄の某駅には奇妙な噂がある。終電が出た後に、男性用トイレの奥から二番目の個室に入ると、タイムスリップするというものだ。ある夜、終電を逃した男性が件の個室に入り、事を済ませてドアを開けると、目前には朝の通勤ラッシュでごった返す人ごみがあったという。

信じようと、信じまいと…… 

 

あるガンマンは、愛用していた一丁の銃の残弾を全て外す夢を見て以来、その銃を使うことをきっぱりとやめた。数年後、その銃はしまわれていたクローゼット内で突如暴発したが、不思議なことに、銃口の先にいたガンマンの娘は無傷だった。

信じようと、信じまいと……

 

「吸血鬼に血を吸われると自分も吸血鬼になる」これは、狂犬病患者等を吸血鬼と思い込んだが故の間違った認識らしい。実際は「吸血鬼の血を体内に入れてしまうと自分も吸血鬼になる」のだという。そう告白した男は、200年経った今も後悔し続けている。

信じようと、信じまいと…… 

 

ある青年が、有名な拷問法を自分で試してみようと思い立ち、鏡に向かって「お前は誰だ」と問い続けてみた。しかし数分経っても身体に異状はない。これで最後にしよう、と思いつつ「お前は誰だ」とつぶやいたとき、青年の背筋は凍った。今、鏡の中の自分は、瞬きはおろか、口すら動いていなかったのだ。

信じようと、信じまいと……

 

本は人間にとって読むものであり、人間は本にとって自分を読むものである。これは紛れもない事実だが、世の中には、人間を読む本が存在する。その本に読まれた人間は、すべての記憶や記録から消え去り、本には読まれた者の人生の記録が、文章となって浮かび上がるという。

信じようと、信じまいと…… 

 

とある高校のサッカー部の新人ゴールキーパーは、1秒後の世界が見えると豪語し、先輩達のシュートをすべて弾き返すセーブ力を見せ、スタメンに起用された。しかし県大会では、あっさりとゴールを許し、大敗してしまった。噂では、相手チームのストライカーは2秒後の世界が見えると自称していたという。

信じようと、信じまいと……

  

某県某市にある神社の縁結び効果は絶大であり、一心に願えば、ある代償と引き換えに必ずや相手は自分の虜になる。だが、この神社に祈願して長続きしたカップルは一組もない。何故なら求められる代償は「祈願者が相手を恋慕う気持ち」だからだ。

信じようと、信じまいと…… 

 

1944年10月25日にシブヤン海で撃沈された戦艦武蔵。記録を基にした調査で残骸を発見できていない一方、その近海で米海軍の潜水艦が海中を移動する巨大な何者かと遭遇している。

信じようと、信じまいと……

 

アメリカの蘇生研究所で行われた実験により、死後数時間が経過した犬を蘇生させることに成功したという記事は、発表と同時に瞬く間に拡散され、物議を醸した。蘇生した犬は正常で、脳にも障害は見られなかったと書かれていたが、蘇生後から、天使の絵を異常に怖がるようになったことは書かれていない。

信じようと、信じまいと……

 

とある学校の図書室で少女の遺体が発見された。教師の不注意で少女を閉じ込めたまま大型連休を迎えてしまったのだ。しかし不可解な点が一つあった。遺体の傍らには、このような文章が残されていたのだ。「大好きな本に囲まれているからひとりでも怖くなかった。でも、鍵穴から覗いている目が怖かった」

信じようと、信じまいと……