RETRO少年の懐古録

ミステリー、ホラー、サイエンス、サスペンス、SF、怖い話……

【怖い話名作選】海外の怖い話1~11

No.1「キャンドル・コーブ」Candle Cove

あるネットの掲示板で、70年代にアメリカで放送されていた子供向けのテレビ番組が話題となっていた。

番組タイトルは「キャンドル・コーブ」。

主人公の幼い女の子が「海賊と友だちになることを想像する」シーンから始まり、可愛らしいパペットキャラが続々と登場する、低予算のセサミストリートみたいな番組だったらしい。

「1話だけ、すごく気持ち悪い話あったよね?」

当時「キャンドル・コーブ」をリアルタイムで視聴していた人たちの間で、あるエピソードが話題となった。

通常は、女の子とパペットキャラクターの楽しい会話で展開される番組が、唯一1話だけ、画面に登場するキャラクター達が終始叫び声を上げ、恐怖した女の子が泣き叫んでいる、不気味で意味不明なエピソードが放送されたそうだ。

そもそも「キャンドル・コーブ」なんて番組は、本当に存在したのか?

掲示板を見ていた一人の男性は、自分の母親に尋ねた。

「昔やってた『キャンドル・コーブ』って子供番組知ってる?」

息子の質問に母親は驚いた。

「あなた、毎回『キャンドル・コーブ』見てたじゃない。番組が始まると、テレビに釘付けで、私やお父さんが話しかけても全く反応しないから、不気味に思ってたのよ……」

 

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No.2「天使の像」

父と母は、たまには夜の街で羽根を伸ばそうと、信頼できるベビーシッターに子供の世話を頼むことにした。

ベビーシッターが到着した時、すでに2人の子供はベッドで熟睡中。

しばらくすると、ベビーシッターは暇を持て余した。

子供が寝ている1階にはテレビがないため、何もすることがなく退屈で仕方なかった。

そこで、子供たちの父親の携帯に連絡して「子供たちは寝ているからテレビを見に2階へ行ってもいいですか?」とたずねた。

父親がテレビを見ることを許可すると「あと、もう一つよろしいですか?」と、ベビーシッターは質問した。

「子供部屋の窓から見える、庭の天使の像にブランケットをかけて隠してもいいですか?とても気味が悪いので……」

電話口の父親はしばらく沈黙した後に、こう告げた。

「すぐに警察へ連絡するから子供を連れて家から逃げてくれ!! うちに天使の像なんて無いんだ!!」

父親の通報から3分以内に駆けつけた警察は、ベビーシッターと2人の子供を血溜まりの中で発見した。

そして、どこを探しても天使の像は発見されなかった...

 

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No.3「オーブンの中の女」

1983年の夏……

ミネソタ州ミネアポリスの近くにある静かな田舎街でのこと。

小さな農場のオーブンから女性の焼死体が発見された。

現場となった農家のキッチンには、三脚で立てられたビデオカメラが残されていた。しかし、カメラの中にはテープが無くからっぽ。

当初、警察は殺人事件として捜査を進めていたが、後に、農場の井戸からビデオテープが発見され、捜査員は頭を抱える。

回収されたテープは状態こそ悪かったが、音声無しで映像だけは再生することが出来た。

そこには、遺体の発見されたキッチンでオーブンの前に立つ女性が映っていた。

女性はオーブンを開けると、何を思ったか自分から中へ入ってしまい、中からオーブンを閉じてしまった。

映像は続く……

8分後、オーブンが激しく揺れ、次第に黒い煙がキッチンへ充満していく……

その後、映像はカメラのバッテリーが切れて45分後に終了した。

警察は周辺住民の混乱を避けるため、テープを発見したこともショッキングな映像の内容についても公開しなかった。

この事件について警察が頭を抱えた点は2つ。

まず、誰がテープを井戸の中に入れたのか?

そして最大の疑問は、ビデオに映っていた女性と、発見された遺体の身長が全く違っていたこと……

 

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No.4「リフォーム」

私と彼氏は中古で一軒家を購入しました。

「キッチンをベッドルームに改装しよう!!」

彼氏は、この家を大胆にリフォームしようと張り切っていました。

彼が作業する間、家中の古い壁紙を剥がすのが私の仕事でした。

以前の住人は、家中の壁と天井に壁紙を貼っていたため、私の作業は膨大でしたが、次第に壁紙を剥がすことに快感を覚え、不思議な感覚に満たされていきました。

壁紙が破れないよう上手に剥がすことが出来ると、日焼けした時に肌がペロンとめくれた時のような、爽快感が味わえたんです。

ちょっとしたゲーム感覚で、私は壁紙剥がしに没頭しました。

ですが、作業を進めていくと、私は奇妙なことに気が付いたのです。

壁紙を剥がすと、全ての部屋の角に人の名前と日付が書かれていたのです。

気になった私は、壁紙に書かれていた人名をグーグルで検索すると、恐ろしいことが明らかになりました。

行方不明で捜索願が出されている人の名前と、姿を消した日付が、我が家の壁の記述と一致したのです……

翌日、私は壁紙の下に隠れていた人名と日付のリストを作成して警察に通報すると、すぐに捜査員たちがやってきました。

家の中を調査した後に、一人が私にこう訪ねました。

「これまでに剥がした壁紙はどこにありますか?あなたが剥がしていたのは紙ではありません。おそらく行方不明者の皮膚でしょう」

 

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No.5「地下室の犬」

「絶対に地下室に入ってはいけません」

ママは、いつも私にこう言うの。

だけど私は、どうしても地下室から聞こえる音が何なのか知りたかったのね。

子犬の鳴き声みたいだったから、どんなワンちゃんなのか興味があったの。

ある日、私はママに内緒で地下室へ降りてドアを開けたんだけど、そこには子犬なんていなかったの。

私が地下室に入ったことに気付いたママは、慌てて私を連れ出して叫んだわ。

「何を見たの!?」

これまでママに怒られたことなんて無かったから、怖くて泣いちゃった。

私は、二度と地下室には入らないと約束して、ママからクッキーをもらったの。

だから、地下室で子犬のような声を出していた男の子のことを聞くのはやめたよ。

何で手や足が無いのか気になったけれどね。

 

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No.6「弟のチャーリー」

弟のチャーリーが、病院に戻ってしまうのは嫌だ。

お父さんと、お母さんは、チャーリーの病気について何度も説明してくれた。

チャーリーには、あまり薬が効かないらしい。

「チャーリーと一緒じゃないと、何をやっても退屈なんだ」と文句を言うと「チャーリーはもっとつらいんだよ」と言われた。

病院の暗い部屋に閉じ込められてるチャーリーを想像すると、嫌な気持ちになる。

僕はいつも「チャーリーに最後のチャンスをあげて」と頼んだ。

でも……

チャーリーが帰ってくると、いつも何かが起こるんだ。

オモチャの金庫の中には、目玉のえぐり取られた近所の家の猫が入っていたり、通りの向こうにある公園のすべり台にパパのカミソリが落ちていたり、ママのビタミン剤とお菓子の乾燥剤が入れ替わっていたり……

チャーリーがいなくなるのは本当に嫌だ。

チャーリーが帰ってくるまで、また僕は普通にしていなきゃならないから……

 

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No.7「電話がない」

昨夜のことです。

友人から誘われて、私は地元にオープンしたクラブの開店イベントへ出かけました。

お酒を何杯か飲んだ後、ポケットの中に携帯電話が入っていないことに気づいたんです。

座っていたテーブルの周りやトイレなど、店内を探しまわったけど見つからず、友人に電話を借りて自分の携帯を鳴らしました。

数回の呼び出しで、誰かが私の携帯に出たんです。

相手は低い声で笑い、通話は切られてしまいました。

その後は何度かけても繋がらず、最期は諦めて自宅へ戻りました。

すると、部屋のテーブルの上に携帯があったんです。

外出する時に、携帯を忘れていたんです。

でも……

それなら、あの時、電話に出たのは……

 

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No.8 「息子が見たカミナリ」

都会のマンションを引き払って、田舎の一軒家へ引っ越すことにしました。

辺りはとても静かなうえに近所の人達は親切で、私と3歳の息子の新しい門出に申し分ないと思っていました。

引っ越し当日は、近くを嵐が通過して激しい雷雨に見舞われたのですが、前年の離婚のストレスや私の過去を洗い流してくれているように思え、個人的には清々しくさえありました。

息子も新居を気に入ってくれたようで、初めて体験する嵐や雷鳴を怖がるどころか大はしゃぎ。

その晩のうちに嵐は過ぎ去り、疲れた息子もベッドでグッスリと熟睡できたようです。

「窓からカミナリが見えたんだよ」

翌朝、機嫌よく起きてきた息子は、まだ昨晩のカミナリに興奮しているようでした。

怖がって泣き出すよりは、カミナリを楽しんでくれた方が私も手がかからないなと、その時は気にもしなかったんです。

ところが、数日後の朝にも息子は同じことを口にしたのでした。

「窓からカミナリが見えたんだよ」

「それは……きっと夢を見たんだよ。だって昨日は嵐じゃなかっただろ?」

「ええ……そうなのかな……」

そんなにカミナリを見たのが嬉しかったのか、間違いを指摘された息子は、とても落胆していました。

「そんな落ち込まなくても、すぐに別の嵐がやってきて、またカミナリが光るよ」

それからしばらく、嵐とは無縁の穏やかな日が続いたのですが、息子は週に少なくとも2回は「窓からカミナリが見えた」と報告するんです。

初体験の印象が強くて、息子はカミナリが光る夢を見るようになったのだと解釈していましましたが、今になって振り返れば、もっと息子の言葉を真剣に受け止めるべきでした。

過去を振り返っても解決しないのはわかっていますが、先日のショックが頭から離れません。

起床してからコーヒーを入れて地方新聞を読んでいる時に目にしたんです。

うちの近所に住む小児性愛者の男が逮捕された記事を……

逮捕された男は、幼い男の子をターゲットに選ぶと何日も家の外で張り込み、家族が寝静まると男の子の寝顔を写真で撮影する趣味があったそうです。

フラッシュを光らせて……

もちろん、この男に狙われた被害者の男の子の中には、考えるのも恐ろしいイタズラを受けた子もいたとか……

男が逮捕される1週間ほど前、パジャマ姿の息子と、このような会話をしました。

「どうしたんだ?」

「もう窓からカミナリは見えないんだよ」

「それは安心だ。カミナリはどうなったんだい?」

「カミナリはね……僕の部屋のクローゼットの中にいるんだよ」

これから私は警察署に行き、逮捕された男が撮影した写真を確認しなければなりません……

 

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No.9「深い森の小屋」

「あなた起きて」

妻が肩を揺するので私は目を覚まし、朦朧としながら小屋の中を見渡した。

暖炉の火は燃え尽き、もう娘はベッドで寝ているようだ。

「こんな夜遅くに、誰かがドアをノックしているようなの」

確かに、何かがドアを叩く音が聞こえる。

斧を掴んで立ち上がり、そっとドアを開けると、そこには10歳くらいの少年が立っていた。

少年は私を見て驚き固まっている。

しかし次の瞬間、男の子は森の中へ全力で駆け出した。

少年の足は早く、薄暗い森のなかで見失ってしまったが、近くで転ぶ音がしたので、傍に駆け寄って問いただした。

「何で、あんないたずらをしたんだ?」

少年は震えながら答える。

「そうしろって……パパに言われたんです」

嫌な予感がした。

「でも……なぜそんなことを……」

「おじさんを小屋から追い出すためだって」

私は妻と娘のいる小屋へ急いだ。

 

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No.10「おやすみなさい」

2011年秋。

製薬会社A社に勤務していた男が、イリノイ州シカゴ郊外のA社の工場で首を吊って自殺した。

男はA社で品質管理の責任者として真面目に働いていたが、人件費のコスト削減で解雇されたばかりだった。

工場の清掃員が、パジャマ姿でロープからぶら下がる男を発見した時、胸の部分には赤いペンキで「おやすみなさい」と書かれていた。

男の自殺から数週間後、奇妙な変死事件が相次ぐ。

健康に問題のない働き盛りの男女が、睡眠中に次々と窒息死したのだ。

しかも、その首にはロープを巻きつけて絞めたような跡が残っていたため、警察は家族、もしくは外部からの侵入者による殺人事件として捜査を進めたが、犯人逮捕に繋がるような物証や痕跡は見つからず。

ただ、被害者たちには一つの共通点があった。

それは、A社の睡眠薬を服用していたこと。

A社の睡眠薬を服用した人の中には、死に至ることはなかったものの、妙な体験をしたと語る人もいた。

ある女性は、睡眠薬を飲んで寝ていたが、息苦しくて夜中に目を覚ますと、パジャマ姿の中年男性が自分を見下ろしていたと言う。

男は女性の耳元で「おやすみなさい」と囁くと、ロープを女性の首に巻きつけて、ゆっくりと絞めていった。

ちょどその時、深夜に仕事から帰宅した夫が、ベッドの上で目を見開き口の端から血の泡を流す妻を発見。

夫の声がきっかけで、女性の前からはパジャマの男は消え、首を絞められている感覚も無くなったそうだ。

FDA(アメリカ食品医薬品局)は、直ちに睡眠薬の成分を分析したが、特に問題は発見できず。

しかし、その後も同様の変死事件が相次ぎ、睡眠薬との関連を疑う声が広がり始めると、A社は問題の商品を製造販売中止として工場も閉鎖した。

結局、一連の変死事件の原因も、正確な被害者の数も、いまだに問題の睡眠薬を所持している人の数も定かではない……

 

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No.11「キャンプの写真」

都会とは全く縁のない田舎で育った私の楽しみは、ハイキングやキャンプなどのアウトドアが中心だった。

ある夏のこと、19歳の私は3泊4日で一人キャンプを楽しむことにした。

とは言っても、寝泊まりするのは自宅からそれほど離れていない勝手知った森の中。

子供の頃から何度も訪れている、とても安全なエリア。

私はカメラを持参して、風景写真ばかりを撮影し、キャンプから戻ると早速現像した。

すると、その中に3枚だけ自分が撮影したはずのない写真が混ざっていた。

写っていたのはテントの中で寝ている私……

何も盗まれていないし、どこかを傷つけられたわけではない。

しかしキャンプの間、毎晩テントで寝ている私のそばには……誰かがいた……

 

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〇出典

bq-news.com