RETRO少年の懐古録

ミステリー、ホラー、サイエンス、サスペンス、SF、怖い話……

【語り】最悪の教育者「私は親を許さない」

「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」

「可愛い子には旅をさせよ」

……等々、様々な教育論的ことわざがある。

だが、これは真理をついているといっていいと私は持論する。

 

 ――― ――― ―――

 

私は親を恨み、忌み嫌っている。

 

私は裕福な家庭に生まれ育った。

親は、子である私に対し、あらゆる快楽を当たり前のものとして味わわせ、苦しいモノ、辛いことからは遠ざけて育ててきた。

 

だからこそ、いざ独り立ちという時に、何もできなくなった。

社会の厳しさを、甘え切ったその身に痛感した。

「社会がこのような厳しく寒い場所であり、いつかはそこに出なければならないって、昔から分かっていたことだよね? だのに、なんでこんな風に育てたの!?」

私はたまらず親に訴えたが、帰ってきた答えは非常に非情なものだった。

 

「あんたが甘えん坊なだけでしょ?あとは自分で何とかしなさい」

 

私は金輪際親を許す気はない。

 

もっと未熟なうちから、千尋の谷に突き落として欲しかったし、旅をさせて欲しかった。

幼い私は、この忌まわしい快楽が当たり前の元として考えさせられ、ずっと現実から遠ざけられてきたのである。

 

昨今の引きこもり問題や、パラサイトシングル問題に対して、一石を投じたい。

 

「甘える」ということは、一人では出来ない。

「甘やかす」誰かがいてこそ、甘えというモノが生じる。

 

私も下手をしたら、自立が出来ない、そのような人間だったかもしれない。

彼らにも非はあるだろうし、様々なケースが存在すると考えられるが、間違いなく、親の非は大きい。

 

 ――― ――― ―――

 

この記事を読んでるあなたも「親」という存在だろうか?

あるいは、何らかの形で誰かを教え導く「教育者」かもしれない。

 

「苦しい思いをして欲しくないから、苦しみから遠ざける」

「苦しい思いをして欲しくないから、苦しさを教え込む」

どちらが本当の愛か、考えてみて欲しい。

 

私は金輪際親を許さない。